第2回

Gclick 第二回 東京レインボー祭り
柴犬
今回は「柴犬」が取材してきました。

東京レインボー祭りに行ってきました。
このお祭りは、東京で一番、いや、日本で一番と言っていいほど巨大なゲイタウン、2丁目で開催されるお祭り。「ゲイっぽい」という言葉の代わりに「2丁目っぽい」という言葉がノンケに流通してしまうほど、2丁目は日本のゲイを象徴する街。その街の元気がないと、日本のゲイの元気もなくなる。
という訳で、2丁目がさらに活気のある街になるように、という願いを込めて、昨年始められたお祭りです。
今年で2回目になります。


ゲイパレードが、僕たちゲイが広くノンケに自分達の存在を知らしめ、青空の下で権利を主張するものなのに対して、このレインボー祭りは、2丁目のお店の方々が中心となって、ゲイがゲイだけで気楽に楽しめるお祭りを催してくれている、という側面が強いのでしょう。


ゲイパレードと同じ日に開催され、パレードに参加した大勢の人が、そのまま夕方レインボー祭りに流れ込む、というパターンがよく見られます。
パレードの2次会は2丁目で、という事。我々Gクリ取材班も、パレードの取材を終えた後、一度、ビデオの充電をしに帰った後で、そのままレインボー祭りへの取材に流れ込みました。


新宿2丁目に近づくと、まず風船で作られたレインボーアーチが目に入ります。でも、驚いたのは、とにかく人が多いという事。通りはとんでもない数の人で埋まっているすし詰め状態。
『あんた達、いつもはどこに隠れてたの?というくらいの人出』と取材班の相棒は言っていたし、僕は満員の痴漢電車(埼京線かな?)を思い出したりして。
昔の友人(関係者も含む)に逢って、“久しぶり”のセリフを何度も言ったし、あちらこちらからも“久しぶり”の声が聞こえてきました。
これだけ人がいれば、音信不通の昔の知人にひとりやふたり会うのは当たり前、って感じです。


2丁目のメインストリートは、仲通り。
その通りがまさに人の海だったのですが、人を掻き分け掻き分け前に進んでいくと、通りの脇に出店が出ているのがわかります。出店は2丁目のお店が共同で運営していて、マスターや従業員が威勢のいい声でビール、ソーセージ、焼きそば、かき氷などを売っています。おもしろい物では、褌一丁丸坊主のスタッフが売ってたオリジナルのトランクスパンツ。このお祭りのためにパターンをおこしたらしい。


通りの真ん中には、パフォーマンスのための場所が確保されていて、行き交うみんなが立ち止まりさまざまなパフォーマンスを楽しんでいます。2丁目のビルの、2階3階の窓やバルコニーもまた、にぎやかなパフォーマンスを見る観客で埋まっていました。


僕たちが見れたのは、FUJIのパフォーマンスから。(その前には、お神輿も出てたらしい。)FUJIが見せてくれたのは、旗をバトンのように振り回して踊るフラッグパフォーマンス。外国人がよく集まるお店らしく国際的なメンバーで行われました。


そして、Edo8'sという20~30人の団体がカウボーイスタイルに身を包んで行ったスクエアーダンス&ラインダンス…。


ビデオ映像で是非見て欲しいのが「スリービックリーズ」。
懐かしいスリーディグリーズ、ポインターシスターズの曲を女性(本物の女性ですよ!)3人で物真似。黒人メイクと赤いドレスに身を包み、本格的な歌唱力を披露してくれました。
会場でCDまで売ってました。


Ab with HGMは、露出度の高い衣装を着た女性ボーカルと数人のマッチョバックダンサーのスタイリッシュなショー。


会場を沸かしたのが、ドラッグクィーン集団UPPER CAMP。
2丁目でも既に人気が高いチームのようで、特に印象深かったのが、由紀さおり姉妹の歌をドラッグクイーン達が大袈裟に物真似してみせるショー。思わず腹を抱えて笑ってしまいました。これも是非ビデオ映像で楽しんでください。


東京エイサーシンカは、沖縄伝統芸能のグループ。
太鼓を打ち鳴らしながら踊る勇壮な男性達が印象的。(中にすごくイケル男の子がいたんです!)最後に彼らは、周りの観客をステージの中に招きいれ、沖縄伝統音楽にのって踊るように催促。



2丁目が大きなダンス会場となりました。そして、沖縄ダンス大会はそのまま、クールダウンのマスター、イチローさんがDJをつとめる「仲通り巨大ディスコ」へと引き継がれます。曲は何だったかなぁ?多分、モー娘の曲だったと思うけど、2丁目に集まった千人以上の人が踊りまくったんです。これがこのお祭りのクライマックス!


いつのまにか甲子園球場でもおなじみのあの細長い風船がたくさん配られ、風船がゆれながらのディスコ大会になりました。そして、最後にはカウントダウン後にみんなの風船を夜空に飛ばすのです。
空が埋まるほどの量の風船に圧倒されていると、ドカ~ンという音。なんだろうと思って振り返ると、花火でした。
「2丁目、バンザ~イ!!」という声も聞こえてきます。みんなの感動が何か伝わってきました。僕自身も恥ずかしいけど胸が熱くなって、「ゲイに生まれてよかったな」なんてつぶやいちゃったりして。取材班の相棒なんかは、うっすら涙を流してたみたい。(本人は汗だと言い張っていますが。)「2丁目バンザ~イ!」という声はどんどん広がり、2丁目全体に響き渡りました。


朝の11時に始まるゲイパレードを経て、2丁目に集まって大騒ぎ。そして、10時間の時をともにした仲間たちと、ゲイとしての誇りを胸に花火を見上げるクライマックス。東京のゲイにとって一年で一番熱い日はこうして終わりました…


もし、これを読んでくださっている読者の方に、パレードもレインボー祭りも一度も経験してない方がいらっしゃるなら、来年は是非参加してみて欲しいです。僕達が撮ったビデオでその感動が伝わるかどうかはわかりませんが、本当に楽しいんです。地方に住んでいる方にもおすすめ。わざわざ東京に出てくる価値があります。


最後に僕たちGクリの取材をスムーズに進めるために協力してくださった皆様にこころから感謝します。
取材許可を取る方法を教えてくださったラ・セゾンのお店の方々、そして、ぶしつけなインタビューに快く答えてくださった出店の方々・・・


このようなゲイのお祭りが日本全国で活発になればいいな、とGクリのメンバー全員が願っています。
主催者の皆様、スタッフの皆様、本当にお疲れ様です。来年もまた、素晴らしい出し物で楽しませてください。